炭火焼き鳥

ウチは住宅街の焼き鳥屋。妙に席数があって、正直なところもてあましている。けど、月に一回か二回、満員御礼1時間待ち、となる日がある。
テレビに目をやる。そろそろかな、と電話の前に移動する。間髪おかずに着信。
「…はい、本日17時半から4名様、あ、お名前を…すみません、もう一度お願いできますか?」
電話の向こうには楽しげなざわめき。声で「あのお客様だな」と思うけど、手続き上しょうがない。チェーン店だしね。
「…はい、承りました。お気をつけてお越しください」
電話を切って受けつけ表に記録する。書き終わる前に電話が鳴る。
ウチは住宅街の焼き鳥屋。月に一回か二回、満員御礼1時間待ち、となる日がある。