KADOKAWA-EPUB製作仕様に関して

読んでから出直してこいということなので読んでみた(;´∀`)


結論:とてもよくできている。
自分が踏んだ罠の数々は網羅されているし、仕事でやっている人は違うな、と素直に尊敬できる出来だと思う。このレベルで記述されていれば、ある程度の品質は留保できると思えた。RSのcriteriaと同じチームの物とは思えないぐらいだ。


画像の無断改変は禁止、と明確に謳っているところも好感度が高い。※基準サイズは定期的に見直す予定、と明記されているのも素晴らしい。


が、幾つか気になった点があったので書いておく。素人が思いつくようなことなので、おそらく何らかの意志決定があった上でスルーしていること、あるいは競合他社に情報を出さないようにするため敢えて秘匿している部分なのだろう。だから、別にこれが書いてないから出来が悪い、というつもりは毛頭ない、ということを事前にお断りしておく。

EPUB 圧縮後は、必ず最新版の EpubCheck をかけて、エラーや警告が出ないものを納品すること
EpubCheck をパスしていれば、圧縮に利用するツールは何でも構わない


経験上「すること」といって、ちゃんと成果が上がってきたためしがない(;´∀`)、ので、大量に作るのが前提であれば「エラーや警告がない状態でのみepubファイルが生成されるツールを作って使用を強制するべき。


人間が触る部分には絶対にエラーが発生する、サボる気がなくても漏れるときは漏れる、と思う。

ルートフォルダ名には 20 桁のeコードを用い、EPUB ファイル名は「eコード.epub」とする。
拡張子は小文字で「.epub」とし、eコードは版元から提供されたものをそのまま利用すること。

の「unique-identifier」と の「id」の値は「bw-ecode」とし、
の値はeコード(英字は全て大文字)とする。挿入方法の詳細は後述。
eコードは必ず版元より提供されるものをそのまま用いること。

eコードを版元が指定するのであれば、eコードからepubファイルのひな形を作って作業者に渡せばよいと思う。版元が手間だというなら、eコードを入力すればひな形が生成されるツールを作ればよい。
メールに「この本のeコードは…」と版元が書いて、そのメールを下請けがコピペして、とやっていたら、そのどこかでミスが起こるだろうし、ミスが起こりえる部分はチェックをしなきゃならんので、当然手間が増える。

行アキの際は「


」を必要な数だけ挿入する
通常作品では CSS の margin や padding、line-height などの指定を用いない。

本文中のページ中央指定は、前3行アキとする

いわゆるバッドノウハウの類い。
なぜこれを取り上げるのかというと、「epub制作者がつけたbrなのか、それとも著者が書いたbrなのかをトレースする手段が明示されていないから。
RSの品質が上がり、じゃあepubキレイにしますか、となったときに、「このbrはmarginにするべきなのか、brのままにするべきなのか」を判定するためには元のテキストとつきあわせる必要が出てくる。epub制作者側が手を入れた部分に関しては、最低限コメントを残すようなフローにしておくべき。

xhtml のファイルサイズが 256KB を超えると読み込めない RS があるため、240KB 程度になったら改ペー
ジする(近くに見出しがある場合はその直前で、ない場合は空行の位置で分割)。

これは現実問題仕方がない部分はあるとして、自分としては意図しないところで改ページを使用されるのは許容しがたい。これは編集者側が著者に確認を取るべきではないかと思う。

まぁ、素人がぱっと思いついた疑問点なので、おそらく内部では揉まれた上で解決・運用されている物とおもう。


機会があれば話が聞けたらなぁ、と思います(´・ω・`)