その3 因数分解の公式はこれ一つ

因数分解で覚えなきゃいけない公式は一つです。
x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
ほかの公式は、覚える必要がありません。というより、ほかの公式もほっといてもできるぐらいにならないと、ここから先の数学で「使えません」
この公式を、まずは徹底して使えるようになりましょう。
ではこの公式をどうやって使うか。問題見ながらのほうがやりやすいので、問題を設定しましょう。
x^2-5x+6
まずはこれ。一番初めにやることは6をばらすことです。abになりえる組み合わせをすべて書きだします。かけて6になる数字を順番に、1から書いていきます。
1 6
2 3
油断してはいけません。マイナスがあります。
-1 -6
-2 -3
この四つの組み合わせを足してやります。
1+6=7
2+3=5
-1+(-6)=-7
-2+(-3)=-5
そうすると足して-5になる組み合わせ-2,-3がみつかりました。
(x-2)(x-3)
因数分解の結果になります。
もう一個やっておきましょう
x^2-x-2
かけて-2になる数字を1から書いていきます
1 -2
2 -1
つぎはマイナス
-1 2
-2 1
で、足してやります
1+(-2)=-1
2+(-1)=1
-1+2=1
-2+1=-1
って同じ組み合わせができましたが、まぁ練習なんでいいでしょう。足すと-1になる組み合わせ、1,-2がみつかりました。
(x+1)(x-2)
因数分解の結果になります。
①最後の数字の組み合わせを調べる
②①で出た組み合わせを足してみる
これだけです。

ほかの公式はいいのか

覚える公式は一個だけでいいよ、というと不安になると思います。けど、覚えるまでもないでしょう。
x^2-a^2=(x+a)(x-a)
x^2+2ax+a^2=(x+a)^2
x^2-2ax+a^2=(x-a)^2
といったとこですかね。試しに2番目の公式を使うのを、さっきのやり方でやってみましょうか。
x^2+6x+9
を解いてみましょう
1 9
3 3
-1 -9
-3 -3

1+9=10
3+3=6
-1+(-9)=-10
-3+(-3)=-6

3と3の組み合わせになります。
(x+3)(x+3)
=(x+3)^2
ということで、困らないですね。


困りませんが、因数分解は後々使う「道具」です。この辺の公式も覚えてしまうぐらい練習問題を解いてください。それに知っていたほうが当然早いですから、受験までにはどうにかしておきましょう。