その2 因数分解ってなんのためにやるのよ、という話。

さっき因数分解できないと、数学は詰むという話をしましたが、因数分解を「なんのためにやるのか」というのがわかれば、その理由がわかります。
さて
a×b=0
のとき、aとbの値はなんですか、という質問をしてみましょう。aとbのどっちかが0ならいいですね。同じように
x^2-3x+2=0
のとき、xの値はいくつですか、という話です。
このままだとわからないので「因数分解」をします。そうすると
(x-2)(x-1)=0
となって、さっきのa×b=0と同じように、x-2かx-1のどっちかが0だとわかります。もうxは2か1ですよね。
こんな風にごちゃごちゃした式を因数分解して、xの値を求めるというのが高校数学の半分ぐらいに絡んでくるわけです。
一番簡単な例ではy=x^2-7x+6のグラフの、直線y=0との交点を求めなさい、とかですね。
y=0なので
0=x^2-7x+6
0=(x-6)(x-1)
となってx=1,6です。
この問題は続きがあって、y=0とy=x^2-7x+6との間の面積を求めなさいとかなります。単純な積分
S=∫(0-(x^2-7x+6)) dx
となりますが、初めの因数分解ができないと、積分する範囲がわからずに詰みます。
因数分解できないとヤバい、って伝わりましたか?
因数分解は、足し算や引き算と同じレベルで使えないといけない「道具」です。