0-1

おなかがすいていた。
さむかった。
ふらふらと部屋を出たら、知らない場所にいた。路地の向こうから、賑やかな声が聞こえてきた。そちらの方に歩いて行くと、一枚の扉が現れた。扉を少し開け、中を覗き込む。声はそのさらに向こうから聞こえてきているようだった。ふと、食べ物の匂いがした。部屋の中には誰もいない。気がつけば、わたしは部屋の中に入り、眼に映るものすべてを口に運んでいた。温かい食べ物。いい匂いのする飲み物。そのすべてを平らげた後で、カラになった食器が視界に入ってきた。ぶたれる。急に背筋が寒くなった。
「終わったかい」
ギョッとして振り返る。奥の扉が開け放たれており、ひとりのおばあさんを先頭に人垣ができていた。怖くて何も言えず、わたしは立ちすくんでいた。
「昼メシを楽しみに仕事してたら昼メシはなくなったときたよ。ないものはしょうがないから、適当に何か作っておくれ」
おばあさんはわたしの前を通り過ぎ、テーブルの奥の席にすわった。ひとりのコックさんが他の二人のコックさんに指示を出しながら、冷蔵庫の中身を確認しだした。
「菫子様! 冷蔵庫の中身は無事でしたよ!」
わたしを除いた全員が笑い声をあげた。

EPUBv-0.0/UTF8-v0.0

EPUB-v0.0です。 https://1drv.ms/u/s!ApXo6hwqtuNPgv4r5ke6iXGkzQDnbw
UTF8-v0.0です。 https://1drv.ms/t/s!ApXo6hwqtuNPgv4puLWuAkTU4KS9bw

  • 著作権に関して割とあやふやですので、助言があればぜひ。
  • 案の定文字化けしていたので、UTF-8EPUBを作りました。
  • 一般的でない用語が無造作に使ってありますが、脚注をつける予定です。不明な言葉を教えていただければたぶん脚注を書きます。
  • 誤字脱字のご指摘はコメントでお願いします。
  • キャラ表は発行するものからは削除します。
  • 一太郎の2018が発売されたタイミングでちゃんとEPUBにします(現EPUBはざっくりです)
  • トウカのクルマはダッジバイパー。乗り換えたのは新しいほうのNSXです。
  • EPUB変換にはでんでんコンバーターを使用しました。ありがとうございます。

一校

https://1drv.ms/t/s!ApXo6hwqtuNPgv4ogO0QJU5UKvry4g

  • 著作権に関して割とあやふやですので、助言があればぜひ。
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  • 一般的でない用語が無造作に使ってありますが、脚注をつける予定です。不明な言葉を教えていただければたぶん脚注を書きます。
  • 誤字脱字のご指摘はコメントでお願いします。
  • キャラ表は発行するものからは削除します。
  • 一太郎の2018が発売されたタイミングでEPUBにします。
  • トウカのクルマはダッジバイパー。乗り換えたのは新しいほうのNSXです。

リズ

その日から、明確に仕事の時間が増えていった。レコーディング・衣装合わせ・撮影だけでなく、インタビューやイベントが入っていった。そのクルマの情報が少しづつ世の中に流れ、終いには「研究所」に呼び出された。ケータイとカメラを預かってもらい、身の回りのものだけを透明のトートバッグに入れ、白いツナギを着た人たちについてプロデューサーと歩く。倉庫のような建物がならんでいて、あちこちに黒いテープが貼られていたり、渦巻き模様のシールで全体が覆われている車が停まっている。白いツナギを着た人が、ちょっと距離があるんでこちらにどうぞ、といって一台のクルマのドアを開けてくれた。ぱっと見は普通の車に見えたが、ナンバーが付いていなかった。
車はゆっくりと建物の間を進んだ。やがて建物が途切れ、森の中へと進み、どこに行くのだろう、と思った時、ぱっと空が開けた。
「今日の撮影はこちらです。」
車を降りたわたしは、飛行場のようなところに立っていた。テストコースと呼ぶのだと、後でプロデューサーに教わった。アスファルトの長い直線の向こうに緩いカーブが見える。背後にあったシャッターがガラガラと音を立てて開いた。見知ったメイクさんが手を振っていた。


着替えてメイクしてもらって、生まれて初めてヘルメットをかぶった。その頃CMディクレクターさんが到着した。白いツナギを着たひと達がそろそろ出すか、と言って広いガレージの隅にある、黒いカバーをかけられた塊に手を伸ばした。全体にかけられたカバーを外し、上からかかっているカバーを外し、前後のカバーを外すと、ようやくそれは姿を現した。それは、映像でみるよりも気持ち小振りに見えた。天井の蛍光灯がキラキラと反射していた。
ぼうっと眺めていたら、いつの間にか人垣ができていた。お揃いの白いツナギ、帽子、プロデューサーさんや、メイクさん、CMディレクターさんの方がむしろ浮いて見える。白いツナギの人たちの間を通って、少し小柄な少女…?がヘルメットを被りながらやってきた。握手を求められて、そっと手を出した。白い肌、鼻筋にソバカス、青い瞳。「ヨロシクオネガイシマス」と言って、微笑んだ。「こちらこそ」と微笑みを返したら、シャッターの音が聞こえた。ええっと、こちらこそって、英語でなんと言うんだろうか、と思ったのを察したのか、彼女は「ワタシ、ニホンゴ、チョットデキルネ。リズトヨンデクダサイ。」と言ってくれた。
ドアを開けてもらって助手席に座る。席が低くて、目線がドアを閉めてくれた人の腰より低い。シートベルトの締め方がわからずに戸惑っていると、リズが運転席から手を伸ばして助けてくれた。リズがシルバーで縁取られた赤いボタンを押すと、キュル、という音の後にファン!と音がして、エンジンの音が流れ出した。
「コノボタン、ワタシ、ハジメテデスネ」
リズがわたしの目を見て微笑む。リズが指差したボタンは黒。同じようにクロームで縁取られていた。
頭の上でカチっと音がして、軽いモーター音とともに頭上の屋根がスルスルと下がっていく。明かりが車内に広がって、クルマの中って暗かったんだと初めて気がつく。リズがハンドサインで周囲とコンタクトをとって、節をつけて言った。
「OK, here we go!」

ゆっくりとガレージを抜ける。空が青い。リズがハンドルを切って、クルマが道の向きに沿う形になった。一度静止する。リズがこちらを見て、膝の上の両手を指差した。
「テワ、ソコ、トソコ」
リズの指した場所へ手を伸ばす。確かに掴むところがあった。わたしが握ったのを確認して、リズがわたしの目を覗き込む。
「Are you ready?」
「イ、イエ」
スを言うことができなかった。エンジンの音がチェロの音域から、ヴァイオリンに変わったとおもった瞬間に、私の背中はシートに押し付けられている。一瞬前まで止まっていたのに、今は周囲の景色が後ろに向かって飛んで行く。はるかかなたに見えていたカーブがもう目の前だ。軽く、短いブレーキ。次の瞬間、私はリズが車体を握れ、と言った意味を思い知った。子供の頃に一度だけ乗ったジェットコースターを思い出す。身体が思い切り左に振られた。キュルキュルキュルという音がして、クルマの鼻先がぐっと内側を向く。滑ってる。息をつく間もなく、次のコーナーがやってくる。クルマの姿勢が目まぐるしく変わる。


5つ目ぐらいのコーナーを抜ける頃、ふと、ハミングが聞こえた。リズがハンドルを指で叩きながら歌っている。
リズと目があった。
音が取れた。
私の歌。
きつく結んでいた私の唇が開いた。


着替えて戻ってきたら、リズがメイクさんに捕まっていた。リズが恥ずかしそうにこっちを見た。リズの後で、わたしもメイクをなおしてもらう。


―どうでしたか?
「ビックリしました。聞いてなかったし、すごいスピードで走るし、滑るし、でも、楽しかったです」
「彼女、凄いんですよ。わたしもいろんな人を乗せて走るけど、私より大きな声で歌ったひとははじめてです」
「だってリズが私の歌を歌ってたから」
(リズが通訳さんの声が止まる前に笑いだす)
「私は彼女のファンになってしまいました。彼女とデュオをできたのはきっと一生忘れないですね」
「私も一生忘れないと思います」
―クルマに関して一言頂けますか?
「キレイな形をしていますね。屋根が開いて驚きました。でも、風もきもちよくて素敵でした。ステージにいるときのように歌った気がします。わたしは免許を持っていませんけれど、いつか運転してみたいです」
「素直ないい子ですね。狙ったラインにすっと入る。ちょっといい子すぎるかな、とも思いますけれども、それは、私が普段乗ってる子たちが私みたいなじゃじゃ馬ばっかりだからじゃないかな(笑い)」
―では、最後にお互いに関して一言ずつお願いします。
「リズが私と同い年で、世界を回っているレーサーだと聞いてとても驚きました。自動車のレースは見たことがないんですけれど、リズが出るなら見に行ってみたいな、と思います」
「じゃあ、次のレースに招待します(いいよね?とマネージャーに確認)。OKだそうです(笑い)。私も彼女が同じ年だと聞いて驚きました。歌声だけしか知らなかったから。この話を聞いたときに、音源をもらったんですけれど、今はレース前にずっと聞いています。私はこの歌の詩の中にあるように私自身でありたいし、その上でレースも勝ちたい。怖かったり、不安になったりもするんですけれど、この曲を聞くと前に向かうことに集中できるんです」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「ライブに招待してもらえたら嬉しいな」
「えっと…(プロデューサーからマルサイン) いいみたいです!」


握手をして、リズと別れた。聞けばその足で北米に向かうという。

曲紹介

01 メッセージ

デレマスからは外せない一曲。ヒトカラではハモれないのが辛いね。

02 ゲンキトリッパー

1曲目を受けて、もう少し盛り上げたい一曲。やよいといえばこれ。

03 遠い街から

一気にトーンを落としたけれど、ここは落としどころ。なぜならば、

04 心もよう

この曲を持ってくるためである。

05 M@GIC☆

「心もよう」で少し落とした分だけアゲてもらいましょう。

06 約束

前半のトリはこれしかやっぱりありえず、ちょっとつなぎがうまくいってないが、中締めとしてはこの曲がよい。何故なら重い曲で終わらせたくなかったから。

07 Eternal Harmony

ここから後半。一旦おとしたところをガッツリ持ち上げる。

08 Happy! (M@STER VERSION)

Hop->Step->Jumpとすると、この曲はStepにちょうどよくて、適度に軽くて重すぎないんである。

09 しあわせのレシピ

この曲、実は「子どもを思いやるお母さんの曲」だと気がついて愕然としましたよ。だって「好き嫌いがないように動物のマークに」野菜を切るなんて、彼氏にはしないでしょ?

10 M@STERPIECE

後半の中締め。「夢をはじめて願って、今日までどの位たっただろう」 そう、まだ我々夢を叶える途中なんである。

11 Shine!!

明るい曲調だけど「選んだ夢 私が決めた道を」の重さよ。周囲の反対を無視してやりたいことに身を投げた自分と重なりすぎて歌うたびに泣く。

12 LOST

ぐっと落としましたが、ここから千早が4曲続きます。ここからの4曲の千早は映画版のおそらく後で、自分を傷つけた人をすら、好きだから愛していると正直に言えているのだと思います。

13 Destiny(Version Chihaya)

「進め、私の心」 モチーフはM@STER PIECEと同じなんですが、振り返るだけじゃなく前に進もうとする決意が、「もし離れたって信じてるから」、という言葉が本当に好きで、これはもうトリにもってくるしかないよね。<アンコール>

14 星のかけらを探しにいこうagain (Version Chihaya)

この曲は「乗り越えた千早」の象徴的な曲なんです。ツライ思いをして、乗り越えて、優しく語りかけるように歌う千早の曲。お酒を飲めるような年になった千早が、ゆっくりと杯を傾けながら目の前の大事な人の話を聞いている姿が浮かびます。

15 Snow White

『たとえば君と
もし 出逢わずにいたのなら
こんな痛みを 今
しらないまま いたけれど』
いっそ逢わなければよかった、そう思う出会いは、どうしたってあるもので、それはどうしようもなく澱のように沈んでいくものだけど、
『物語なら まだ途中』
そう、とりあえず、まだ何も終わってないし、顔を上げて歩き始める千早がみえるのです。

BonusTrack あんずのうた

まぁ、ボーナストラックですよ。忘れてたわ、ごめん。

大量の画像をリサイズする。ただしフォルダ構成は変えない

using System;
using System.Threading.Tasks;
using System.IO;
using System.Windows.Media;
using System.Windows.Media.Imaging;

namespace ResizePics
{
    class Program
    {
        const string SRC_DIR = @"E:\temp\SRCDIR";
        const string DST_DIR = @"E:\temp\DSTDIR";
        const double TARGET_WIDTH = 1000;


        static void Main(string[] args)
        {
            //対象ファイル取得
            var pictures = Directory.GetFiles(SRC_DIR, "*.jpg", SearchOption.AllDirectories);

            var pOptions = new ParallelOptions();
            pOptions.MaxDegreeOfParallelism = 2;
            Parallel.ForEach(pictures,pOptions, srcFile =>
            {
                Console.WriteLine(srcFile);
                //ファイルを開いて縮小する
                using (var srcStream = File.OpenRead(srcFile))
                {
                    var decoder = BitmapDecoder.Create(srcStream, BitmapCreateOptions.PreservePixelFormat, BitmapCacheOption.Default);
                    var bitmapSource = decoder.Frames[0];

                    //縮小したビットマップを作成する
                    var scale = TARGET_WIDTH / bitmapSource.PixelWidth;  //縮小率
                    var scaledBitmapSource = new TransformedBitmap(bitmapSource, new ScaleTransform(scale, scale));

                    var encoder = new JpegBitmapEncoder();
                    encoder.Frames.Add(BitmapFrame.Create(scaledBitmapSource));

                    //ファイルの書き出し
                    var dstFile = Microsoft.VisualBasic.Strings.Replace(srcFile, SRC_DIR, DST_DIR, 1, 1);

                    //ディレクトリがなければ作成する
                    if(!Directory.Exists(Path.GetDirectoryName(dstFile)))
                    {
                        Directory.CreateDirectory(Path.GetDirectoryName(dstFile));
                    }
                    using (var dstStream = File.OpenWrite(dstFile))
                    {
                        encoder.Save(dstStream);
                    }
                }
            });
            Console.WriteLine("END");
            Console.ReadLine();
        }
    }
}

基本的にこちらとやっていることは同じ。
http://note-sharp.blogspot.jp/2014/09/var-dir-cimages-parallel.html
Out of memoryが出たのでParallelに制限をかけたのと、pixelwidthに変更しただけです。