Pixie in the NiGHT

トウカのアシスタがI seeと答えた。トウカは少しづつスピードを落とし路側に寄せ、停車した。左の後輪がやられています。このクルマはここまでですね。トウカはそう言って車外にでた。僕も続いてクルマから降りる。
これからどうするのだろう、と、不安が頭をもたげる。一?キロほど後ろの煙幕の向こうでは、きっとこちらを狙っている、という確信があった。不安に耐えきれず、煙幕から目を逸らしてトウカの顔を見ようとした時、トウカのアシスタが発話した。


 Pixie number 4 recognized. She will arrive here in 5 second.


 甲高いエンジン音が白煙の向こうから聞こえてきた。煙を突き破り、それは姿を現した。街灯にマットブラックのドライカーボンをまとったモーターサイクルが見えた。やがてトウカの前でジェントルに停止し、直立したままサスを縮め、主人の搭乗を待つ姿勢を示した。トウカがフックからヘルメットを外し、僕に差し出した。
「トウカの分は?」
「視野が狭くなります」