ガイド・ドッグ

Draft版

https://1drv.ms/b/s!ApXo6hwqtuNPg6JVUSwVosnqgguATw ガイド・ドッグのDraft版(2018/11/26文フリ版)です。 コユキ キミさん、校正協力ありがとうございました。

ガイド・ドッグ-4

「それで、クルマってどうなったんですか?」 「来週納車だってさ。どうするんだろうねぇ。興味ないって言ってるのに」 「ウチのお客さんで持ってる人いるんですけど、割と評判いいですよ。呑んでも帰れるし、終電考えなくてもいいしって」 そりゃ商売繁昌だ…

ガイド・ドッグ-5

「では、こちらが契約書となります …音読いたしましょうか?」 渡された紙を隣に座っている娘婿にパスする。 「問題ないですね」 「え」 「散々レビューしたんで、見れば改変してあるかどうかはわかります。問題ないですね。要は購入費用に三年分の保険が含…

ガイド・ドッグ-3

ハンカチを左肩に載せ、ヴァイオリンを頰で挟む。弓を張る。音叉をケースから取り出し、軽く叩く。A音が軽く鳴る。重音を鳴らして響きを聞く。スケールを鳴らして指の回り方を確かめる。 と、玄関が開く音が聞こえた。とたとたと、廊下を走る音が聞こえてく…

ガイド・ドッグ-2

「そりゃ、めんどくさいですねぇ。あ、グラス拭きますね」 それが仕事なんだとは知ってるが、イチイチそんなことしなくてもいいんだがなぁ、と思い、そしていつも通り、まぁいいや、ということにする。 「君、おかわりはいいの?」 「いいんですか? ありが…

ガイド・ドッグ-1

「要らないわ。そんなの」 缶ビールを飲み干して、テーブルの上に置く。娘が缶を下げてくれて、娘婿がプルタブを引いた缶ビールを私の右手の手のひらにあててくれる。 「まぁ合わなければ、僕がもらいますよ。単純に技術的に面白いんです」 この娘婿は、悪い…